ブライトスタッフ通信vol.238

2月が暖かったので3月の寒さが余計に身に染みる気がします。

今回は「思い込みの罠」についてお話ししたいと思います。

貴方はどんな思い込みを持っていると思いますか?思い込みというのはいろんな場面で起こります。たとえば「政治家は悪いことをしている」「〇〇は健康に良い」「「あの人は自分のことを嫌っている」「お酒を飲むとストレス発散できる」「お金持ちになれば幸せになれる」「欲しいものが手に入らなければ不幸だ」「自分はモテない」「結婚は墓場だ」等など挙げたらキリがありません。

実はこの「思い込み」というのは実に厄介なもので、あらゆることの前提条件となっています。前提条件というのは、思考がその位置からスタートするということです。その思い込みに気付かない限りマイナス方向には思考が向かないといってもいいのです。このように書いている私も「思い込みについての思い込み」というジレンマに囚われています。その位「思い込み」というのは厄介なのです。色んな人の話を聞いていると、この「思い込み」に強く囚われているなと感じることが良くあります。「思い込み」なのかどうかを調べるのは簡単です。万人が共通認識として持っているならばそれは「思い込み」ではありませんが、人と考えが違うものがあるとすれば、それは自分の「思い込み」と言っていいと思います。たとえば「人は必ず死ぬ」というのは万人が共通認識として持っていると思うので思い込みではありませんが「宝くじが当たったら幸せになれる」という考えはどうでしょうか?宝くじが当たって長年の夢であった事業をスタート出来て幸せだという人もいるでしょうし、マイホームが持てたという人もいるでしょう。逆に家族関係がぎくしゃくしてしまったという人もあるでしょうし、ギャンブルにおぼれて人生台無しにする人もいるでしょう。自分の考え以外にも色んなケースがある場合は、自分の考えは「思い込み」であると言えます。

この「思い込み」に気付くか否かが人生を幸福に生きられるかのカギであるという説があります。たとえば、自分の周りの人が自分を評価して自分を見下しているという思い込みのある人と、周りの人はみんな自分の応援者だという思い込みのある人ではどちらが幸せだと思いますか?前者の思い込みの人はいつも自分がどう見られているかを気にして自信のない毎日を送っています。対して後者の思考の持ち主は、自分は常にだれかに助けてもらえる存在だと安心して生きられます。

昔流行った歌に大事MANマンブラザーズバンドの「それが大事」というのがあります。「ここにあなたがいないのが淋しいのじゃなくて ここにあなたがいないと思うことが淋しい」という歌詞があります。私たちは何か悲しいことが起きると、その事象が自分を苦しめていると思いがちですが、実はその事象が苦しめているのではなくて自分の心がその事象に意味づけをしている(思い込んでいる)ことによって自分が苦しんでいるのだということを端的に歌っている歌だと思います。

もう一つ例をあげます。ゴキブリを嫌いな人は多いと思いますが、北海道から大阪の小学校に転向したM君はゴキブリを見たことがありません。北海道にはゴキブリが生息していなかったのです。ある時教室でゴキブリを見つけたM君はゴキブリを捕まえてみんなに「この虫なんて虫?」と聞いて回りました。周りの子供たちはキャーキャー大騒ぎでしたが当のM君はみんなが何で騒いでいるのか分かりません。M君にとってはゴキブリも大きなゲンゴロウ位にしか感じられなかったのでしょう。この事象からも「ゴキブリは気持ち悪い」という思い込み・前提がゴキブリに対する嫌悪感を生んでいるということがわかります。

人間関係の問題や体調不良などもこの「思い込み」が原因になっていることが多いのですが、これを解消するには自分自身に問いかけるより他ありません。誰かが「あなたはこんな思い込みを持っていますね。」などという言葉をかけるとまた新たな思い込みが出来上がってしまうからです。