一年のうちで最も日照時間の短い冬至を迎えると、あとは春に向かって一日一日暦を進めていきます。「冬来りなば春遠からじ」ですね。
今回は、身近な人を大事にしようというテーマでお話ししたいと思います。
貴方にとって身近で大切な人は誰ですか?お父さん?お母さん?配偶者?兄弟?姉妹?子供?ペット?(人じゃないですが)
身近で大切な人に嫌味を言ったり、喧嘩をしてお互い気まずい時間を過ごすことはありませんか? 自分でも冷静になると「言い過ぎたな」とか、「もっと大事にしてあげたら良かった」と思い返すことも1度や2度ではありませんよね。どうして一番大切にしなきゃいけない人を大切に出来ないんだろうと思いますよね。以前先輩から「世界平和より大切なものがある、わかるか?」と聞かれて唸ってしまったことがあります。皆さんはわかりますか?先輩は「家庭内平和や」と言って笑っていました。隣国の人と仲良くする前に、目の前の人と仲良くしろということです。
最近目にしたSNSの投稿でこんなのがありました。
『良好な人間関係は「隠し事」と「建前」があるからこそ構築できるもので、遠慮なく本音を語り合える裸の関係は衝突するか、どちらかが我慢し続けることになる。』
これを読んで頭をガツンと殴られたような衝撃を覚えました。本音で話し合える関係が本当の信頼関係だと思っていたからです。親しい間柄だからこそ距離感が近くなって言いたいことも言い合って当然だと思っていました。
でもよくよく考えてみると、自分にずけずけと忠告したり心の中に土足で入ってくるような人とは自然と距離を置くようになってしまいます。具体的に言うと、しゃべったことの言質(げんちを取ってあの時言ったことと矛盾しているとか、話に一貫性がないなどと言ってくる相手とは、あまり話したいと思いません。歳を取ると記憶もあいまいで、薄れた記憶の部分を捏造して喋るなんてこともザラです。日常の記憶なんて正確に記録できるほど記憶力に長けた脳みそを持ち合わせていないので、適当な記憶と隙間を埋める想像力で話を盛り上げていたところに、「事実と違う」といって水を差すのは、漫才を見に行って「適当なことを言うな」と怒り出す観客のようなものです。会話は楽しんだり、人間関係の潤滑のためにあるのであって、過去の事象を検証するためにしゃべっているわけではありません。
ハリネズミのジレンマという言葉を聞いたことがありますか?ハリネズミとは全身に針のようなトゲトゲのついたネズミです。ハリネズミの雄と雌がお互いに仲良くしようと思って近寄るとお互いの針がチクチクして近寄れないという話です。近づきたいのに近づけないというのがハリネズミのジレンマです。ハリネズミの場合は体の針が目に見えますが、人間の場合は目に見える針があるわけでは無いので、近づきすぎて言葉の針でチクチクしてしまいお互いに傷つけてしまうのが私たち人間です。
ではどうしたら互いに傷つけないで良好な関係を続けられるのかというと、SNSのヒントにもあったようにある程度の距離感を持って接するということです。距離感を持つということは具体的には「すべて把握しようとしない」「相手の建前を重んじる」「時には嘘も許容する」ということです。
子供に「親にうそをつくな」って怒ったことはありませんか?私は子供のころ親に隠れて色々悪さをしていました、だから子供には「嘘をつくな」とは言いませんでした。もう一人の自分が「お前が言うな」って速攻でツッコミを入れてきますから(笑)